早舩煙雨(Twitter: @ennu_hayafune): Haiku and notes, 自由律俳句
佐瀬茶楽 自由律俳句集『こぼれ菜』(昭和59年)より、選り好みの句をいくつかメモ。素朴な句群の中に、突然その事象のふところに飛び込んでいくような句が見られた。そしてそのような句は捨て身ではなく、あくまで平静、であった。
風あるけばある
マッチの火に見えるとおい浴衣
つまんで水から食べるいちご
水蓮にきてからだあまる鯉
呼び声に 蜆先んじる
preceding the call,
a freshwater clam
exists
(自由律俳句『青穂』2024年5月号 no.52 掲載5句より抜粋)