3/14/2023

全国俳誌協会第4回新人賞提出作品「揮発」15句 早舩煙雨(落選)※『俳句展望』2023年春に一部掲載 

 「揮発」 15句  早舩煙雨


口腔のあなたの雨に触れるとき


水銀 古き桃を切る者のいて


銀行や 笑顔の女 笑顔の女 


気が触れて生まれて落ちてくるウズラ


どうせギターの穴の中だけが睦まじい


外来の青蛙放たれ 罪とは揮発性である


喉奥の空欄埋める植樹祭


バンドネオン 白い壁には脚が生え


髄膜炎 やらしい指輪 やらしい椅子


バカ向けのガム噛むバカ向けの案山子立ち


脳幹に忘れた日陰がある小鳥


透ける君に古めかしい山珊瑚がある


ボールを蹴りどこからが私なんだろう


泣く母よ 中耳に積み木積みあがっていく


今日が今日だなんて バター溶けている


(2022年7月全国俳誌協会 第4回新人賞提出作品 「揮発」早舩煙雨(落選)、『俳句展望』2023年春(第198号)に一部のみ掲載)


3/02/2023

俳句短歌誌『We』第15号 2023年3月 掲載15句より抜粋

 『無題』15句 早舩煙雨 ※一部抜粋


 残菊やめちゃくちゃ普通の車で来る

 冒涜としてパンに顔 雨降りやがる

 東風 偽ウォーレン・バフェットからメール来る

 蓄電湖 君は割り箸をしゃぶっている

 おじさんの中の少女や磁気嵐


(俳句短歌誌『We』第15号 2023年3月 掲載15句より)

※一部抜粋にてブログへ掲載するのは問題無い旨、確認済みです。