9/28/2024

加藤知子 句集『情死一擲』(2024年)を読んで

加藤知子 句集『情死一擲』より

特に戦争に関する句群には、紙や文字から熱が湧き上がってくるような感覚があった。


冬銀河輪投げのように逝くことも

すいかずら諸手をあげて椅子を捨つ

ひとだまの匂い葡萄を吸うしぐさ

小春日や事あいまいに逢いましょう

冷戦年表継ぎ足す乳房重かりし

人間を狩る冷蔵庫灯るべし

首筋に情死一擲の白百合

夕薄暑どの風向きも異教なる

白百合の背骨重低音に疼く

魂洗う水の繊きに雁渡

一色ずつ虹をはがせば火傷痕

雪山の頭が解けて母のどこが母

神さびの白菜二枚剝ぐ防人




9/07/2024

俳句短歌誌『We』第18号 2024年9月 掲載 30句より抜粋

  「私かしら」30句 早舩煙雨 ※一部抜粋


本当のわたしは林を歩いている


my true self is 

walking in 

the woods


真實的我

在林中

走着


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惑星と惑星を結ぶよう馬洗う


As like connecting 

a planet and another planet with a line,

washing a horse


好像把行星跟行星

連接起来

幫馬洗澡




(俳句短歌誌『We』第18号 2024年9月 掲載作品30句より)

※英語・中国語繁体字翻訳は本誌に掲載無し