早舩煙雨(Twitter: @ennu_hayafune): Haiku and notes, 自由律俳句
加藤知子 句集『情死一擲』より
特に戦争に関する句群には、紙や文字から熱が湧き上がってくるような感覚があった。
冬銀河輪投げのように逝くことも
すいかずら諸手をあげて椅子を捨つ
ひとだまの匂い葡萄を吸うしぐさ
小春日や事あいまいに逢いましょう
冷戦年表継ぎ足す乳房重かりし
人間を狩る冷蔵庫灯るべし
首筋に情死一擲の白百合
夕薄暑どの風向きも異教なる
白百合の背骨重低音に疼く
魂洗う水の繊きに雁渡
一色ずつ虹をはがせば火傷痕
雪山の頭が解けて母のどこが母
神さびの白菜二枚剝ぐ防人
「私かしら」30句 早舩煙雨 ※一部抜粋
本当のわたしは林を歩いている
my true self is
walking in
the woods
真實的我
在林中
走着
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惑星と惑星を結ぶよう馬洗う
As like connecting
a planet and another planet with a line,
washing a horse
好像把行星跟行星
連接起来
幫馬洗澡
(俳句短歌誌『We』第18号 2024年9月 掲載作品30句より)
※英語・中国語繁体字翻訳は本誌に掲載無し